先日、平成27年国勢調査のインターネット回答の利用案内を配達人に渡されました。
国勢調査は5年に1回行うもので、今回初めてインターネットでの登録が可能になっています。
目次
サイトへのログインと質問内容
PCで国勢調査オンライン(http://www.e-kokusei.go.jp/)にアクセスすると、自動的にPC用サイト(http://www.e-kokusei.go.jp/pc/portal/top.html)に移動します。
「説明を見る」というボタンがあって入力の説明があるのですが、私としては「質問内容の一覧」が欲しいところです。それを期待して開いたのですが、入力作業の説明しか書いてありません。
「回答する」のボタンから移動すると、配布された対象者IDと初期パスワードを入力する画面(https://www.e-kokusei.go.jp/kokusei/GD09200201)に移動します。ここからはSSLが使用されています(当たり前ですけれど……)。
ログインすると質問内容の一覧がようやく見られます。これはログイン前に確認したかった……というより、そもそもこういうことをさせる以上は事前の説明義務があると思うのですが……。内容は以下の通りです。
電子調査票の全体構成
世帯員について
- 世帯員の数及び世帯の種類
- 氏名及び男女の別
- 世帯主との続き柄
- 出生の年月
- 配偶者の有無
- 国籍
- 現在の場所に住んでいる期間
- 5年前(平成22年10月1日)の居住地
- 9月24日から30日までの1週間の仕事
- 従業地又は通学地
- 勤めか自営かの別
- 勤め先・業主などの名称及び事業の内容、本人の仕事の内容
住居について
- 住居の種類
- 住宅の建て方
世帯人数によって複雑になるので人によって差があると思いますが、一人暮らしの私の場合は五分程度で終了しました。
疑問点
国が既知の内容なのでは?
私は国勢調査をすると聞いたとき、戸籍や住民票から収集すればよいのでは?と思っていましたが、「世帯員について」の9~12は仕事に関する内容で住民票などでは分からない内容ですね。それでも税務署は把握していると思うのですが……。
あと「住居について」は住民票で分からない部分は不動産会社がやればいいのでは?と思います。そもそもこの情報なんの役に立つのでしょう?
まとめると
- 世帯人について 1~8:市役所がすでに知っている
- 世帯人について 9~12:税務署がすでに知っている
- 住居について:不動産会社に報告させればよい
という具合なので何故行うのかよく分からない内容です。次回は平成32年ですが、マイナンバーが導入されたら余計に意味がなくなるのでは?
氏名・電話番号・住所の入力は必要なのか?
氏名の項目がありますが、項目以外にも最後に電話番号と住所の入力をさせる場面があります。
- 統計調査で特定の個人を調べるわけではない
- IDがあるので重複もないし抜けもすぐわかる
という状況で氏名・電話番号・住所を入力をさせる理由は何なのでしょうか?たとえばこれは「テストの平均点を出すので、その紙に点数を書いてください。あと氏名・電話番号・住所も書いてください」と言っているようなものです。当然平均点の計算に氏名・電話番号・住所の情報は必要ありません。
すなわち「個人を特定します。他の情報と紐付します」とはっきり言っているということになります。
未来のことについての質問が含まれる
インターネット回答は利用案内を渡されるのが9/10~9/12頃で締切が9/20。締め切りを過ぎると従来の紙に記入の方式に移行します。にも拘らず
- 世帯人について 8:5年前(平成22年10月1日)の居住地
- 世帯人について 9:9月24日から30日までの1週間の仕事
のように未来のことについて聞かれています。
場合によっては誰でも盗めるIDと初期パスワード
インターネット回答の利用案内は、配達人が家に赴き配布していくアナログな方式を取っています。私は直接対面して預かりましたが、時間帯の関係で会うことが出来ない場合はポストなどに投函されます。
利用案内は封がされておらず開けばすぐにIDと初期パスワードが分かってしまう状態です。投函された場所に鍵がかかっていない場合は誰でも確認できてしまいますし、盗み見られた確認も封が無いのでできません。持ち去られる可能性もあるでしょう。
このあたりは役所でなく個人に確認することで生まれる脆弱性といえます。データ入力の後、パスワードを初期から変更することをもとめられますが、ポスト投函された場合は必須と言えるでしょう。
終わりに
「この内容は中国あたりに盗まれるんだろうなぁ……」と思いながら入力していましたが、良く考えるとここで入力しなくたってマイナンバーで集約された情報をいつか盗まれることはほぼ確定でしょう。国が各所のデータを集約(インターネット的に言うと、アグリゲーションでしょうか)出来ないものを、海外のハッカーなら出来るんだろうなぁというのもなんだか……。