先日、M.2のNVMe SSDであるSamsung SSD 960 EVOを購入した(記事)。M.2のSSDを利用するのはこれが初めてであったが、単純にマザーボードとの規格があったものを買って来ればいいというだけではないことに実際購入して気付いた。
SSDをマザーボードに固定するためにミリネジ、発熱のためのヒートシンク(さらに必須ではないもののSSDのラベルを剥がさずにヒートシンクを使うための固定器具)が必要となった。
目次
M.2 SSD設置が抱える課題
現状M.2のSSDの設置に関しては以下のような課題が存在している。
- (マザーボードの種類にもよるが)マザーボード付属のネジではM.2のSSDを固定できない。ミリネジと呼ばれる非常に小さなネジが必要になるが、その一方でM.2のSSDには基本的にネジが付属しない。
- M.2のSSDは使用中高温になるので放熱が必須となるが、これに必要なヒートシンクも別売りである。
- ヒートシンクをSSDに固定するのに一般的に付属の両面テープを使用するが、その際にSSDのラベルを剥がす必要がある。しかしこのラベルを剥がすと保証の対象外になる。
以上の3点について、ミリネジ、ヒートシンク、ヒートシンク用放熱パッドを購入して対応したのが以下の内容となる。
M.2 SSDの設置
ミリネジでマザーボードに固定
アイネックスの「PB-044」はM.2 SSDの固定に適したミリネジでサイズは「M2×2mm」、ネジ頭は「5mm径/1mm厚」。マザーボードによって径がまちまちであるとは思うが、とりあえず自分が使っていたマザーボードでは使用することが出来た。
ネジが無いとどうなるのかはあんまり記事などで見られないが、固定しないとこんな風に浮く。
固定するとこのような形になる。ただし後述する通り普通はヒートシンクを付けるのでこの状態で使用することは基本的に無い。
ヒートシンクを設置して放熱対応
ヒートシンク「HM-21」
アイネックスの「HT-21」はM.2のSSD専用のヒートシンク。同様のヒートシンクはいくつか種類があるが、後述する「HT-13」がこれとのセット使用を想定しているので採用した。
基本的にM.2 SSDにヒートシンクを設置する場合、SSDのラベルを剥がして両面テープで固定する。ところが(企業によって差はあると思うが)このラベルを剥がすと保証の対象外となる。
保証が適用されない事例は次のとおりですが、これらに限定されません。(中略)本製品のSAMSUNGラベルまたはバーコードが改変もしくは改造されているか、または取り外されている場合 – SAMSUNG SSD 限定保証
従って、ヒートシンクの固定は両面テープを使わない方法を採用したい。
ヒートシンク用放熱シリコンパッド「HT-13」
アイネックスの「HT-13」は両面テープではなく、ゴムリングを使って固定する放熱用シリコンパッド。同社の出している「HM-21」と組み合わせて使う場合に最適とされている。
結果
ゴムリングを使い、ヒートシンクとSSDでシリコンパッドを挟むように固定する。
ミリネジでマザーボードに固定するとこういう形になる。
終わりに
規格さえあっていれば大丈夫だろうと思っていたら、予想外のところで足止めにあって面食らってしまった。NVMeで利用するためにSSDは今後M.2の形式が一般化していくはずであるが、付属品を合わせて購入することが必須になっている現状は好ましいとは言い難い。
マザーボードによって径がまちまちであるとはいえ、大きさの異なるミリネジを2~3個付属することにそんなに負担があるように思えないし、ヒートシンクをつけるのに両面テープを使うがその為にラベルを剥がしたら保証が付かないという仕様はメーカー側が保証対応を避けようとしているようにしか私には見えない。今後メーカーはその辺のことを良く考えていただきたい。